海外で起業した日本人はこんなにいる!注目のサムライ起業家10選

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日本人の海外起業

日本でも起業家を志す人を支援する環境が少しずつ整備されてきていますが、アメリカなどの起業先進国と比較すると脆弱であることは明らかです。
そんな中、日本を飛び出して海外で起業する日本人が近年話題になっています。
意外にも、アメリカなどの先進国以外での起業を試み、その地で成功を収めている方も多くいます。
今回は、その中から10人の”若きサムライ”を見ていきましょう。

【アメリカ】Anyperk 福山太郎氏


出典:business.nikkeibp.co.jp
シリコンバレーのスタートアップで一番有名な日本人」
そう言っても過言ではないのが、Anyperkの福山太郎氏です。
 
サンフランシスコで創業したAnyperk社は、新興企業向けに社員の福利厚生サービスを展開する企業として、2012年に誕生しました。
社員1人あたり月約10米ドルを企業が支払うと、社員はケーブルテレビや携帯電話などの割引サービスを受けられます。
このサービスが評判となり、小規模のスタートアップ企業からピンタレストのような著名な企業まで、多くの新興企業がAnyperk社のサービスを導入しています。
 
創業からわずか3年足らずで1000社以上の顧客企業を抱え、この分野では最大のシェアを誇っています。世界で最も革新的な企業TOP50にも選ばれているAnyperkは、大きな注目を浴びている企業です。

【メキシコ】ENVROY MENIKA 北尾崇氏


出典:ja-jp.facebook.com
メキシコで起業した北尾崇氏は、現在3つの仕事を手がけています。
 
大阪大学に通う北尾氏は、CVSという団体が主催するビジネスコンテストで優勝した結果、資金や人材の確保に成功しました。そこで、メキシコで除菌や消臭に関わるビジネスを始めたのです。
 
そして、この背景にあったのは、メキシコの衛生問題だと語っています。
衛生問題が深刻なメキシコでは、インフルエンザなどの蔓延で、多くの方々が命を落とします。
マスクを付ける習慣の無いメキシコで、マスクを使わずに抗菌・除菌ができる製品を開発販売する会社を創業した北尾氏は、この会社を起動に乗せることに成功しました。
 
そして、前述したように、北尾氏はこれ以外にも2つのことをやっています。
1つはサイバーエージェント社の関連企業であるCyber Agent Venturesのアソシエイツとして、シード投資部門での勤務。そしてもう1つは、CVS Leadership InstituteというNPO団体の役員です。
これらの3つの仕事を全うし、活躍を続ける北尾氏に、今後も要注目です。

【ブラジル】池崎商会 池崎博文


出典:heartofjapan.jp
3歳の時にブラジルへ渡った池崎博文氏は、裸一貫から化粧品と美容院用美容機器販売を行う池崎商会を業界最大手までに育て上げました
 
農業を営んでいた両親の反対を押し切りサンパウロに辿り着いた池崎氏は、まずはクリーニング屋の見習いの職を得ます。
そこでお金を貯めた池崎氏は、クリーニング店を買い取り、最新の設備を投入しました。
最新の設備を入れてサービスを提供する池崎氏のアイデアは、近隣の顧客に受け入れ、その地域で一番のお店へと成長していきました。
 
そこからは、クリーニング屋が使う薬品の販売を開始し、なんと今ではブラジルでの取り扱いの90%を池崎商会が販売するまでになっています。
さらに、池崎氏はそこで止まることなく、「何でも一番になるんだ」という強い意志のもと、美容院業界へ進出し、会社を大きくしていきました。
 
「何でも一生懸命やっていれば、その先には成功の道がある」という池崎氏の言葉を体現している方です。


【中国】北京ログラス 山本達郎氏


出典:www.logras.jp
日本人が成功することが難しいと言われる中国で、サイト制作・検索エンジン広告・アフェリエイト広告等の事業を行う北京ログラスを率いる山本達郎氏は、中国で成功した日本人の1人です。
 
大学時代から学習塾を運営していた山本氏は、大学卒業後、北京言語大学、カルフォルニア大学への留学を経て、2006年に北京でインターネットベンチャー・北京ログラスを立ち上げました。
日経企業が中国に進出する際、アカウントの運営サポートなどを行い、会社は順調に発展していきました。
 
日中関係が悪化して、ビジネス環境が厳しくなった時期もありましたが、日中関係は切っても切れない隣人同士という思いを持ち、乗り切ったといいます。
山本氏は、2011年には中国に勝った日本人100人にも選ばれています。

【韓国】合同会社ソウルジャパンメディア 田中政道氏


出典:www.suzutaro.net
対日感情があまり良好でない国でも、日本人起業家は活躍しています。韓国へ進出する企業の支援コンサルティング会社・合同会社ソウルジャパンメディアを率いる田中正道氏もその1人です。
 
2012年にソウルで起業した田中氏は、異国で自ら体験した困難な経験をもとに、韓国に進出する企業のサポート業務に尽力しています。
そこでは、法人設立サポートから携帯販売のオンラインショップまで幅広いコンテンツを揃えており、ワンストップ型のサイトを展開しています。
 
生活に密接したサービスを提供するソウルジャパンメディアは、顧客から見ると非常に親しみを感じやすい企業だといえます。
マレーシア、シンガポール、フィリピン...
 

【マレーシア】funnel Malaysia 澤田将司氏


出典:asenavi.com
日本で趣味の車を海外に輸出するビジネスを行っていた澤田将司氏は、そのメインの取引相手国であるマレーシアで起業しました。
 
しかし、マレーシアの地で選んだビジネスは車では無く、オンラインゲームのプラットフォームを運営するビジネスでした。
ITの人材が豊富で人件費が比較的安いマレーシアの特性に目を付けた澤田氏は、数名のプログラマーを雇い、ビジネスを開始。
その後、順調にビジネスを拡大させた澤田氏は、現在では世界205カ国に、100万人近いユーザーを獲得しています。
 
成長著しいマレーシアでのビジネスを行っている澤田氏を動かしているモチベーションは、「今日より明日はどのような国になっているだろう」という期待感です。日本では経験の出来ない、エマージングカントリーならではのビジネスの展開が期待できます。

【シンガポール】YOYOホールディングス 深田洋輔氏


出典:asenavi.com
経済的に余り恵まれていない途上国で起業する日本人もいます。“新興国・総オンライン化を目指す”という高い理念を持ちシンガポールで起業した、YOYOホールディングの深田洋輔氏もその一人です。
 
新興国向けのモバイルインターネットを広告収入により、ユーザーは無料で使えるアプリを開発する深田氏は、この事業をメインで行っているフィリピンで確かな手ごたえを感じていると語ります。
バングラディッシュでマイクロファイナンスを行う“グラミン銀行”のビジネスモデルに影響を受けた深田氏は、「世界の貧困問題を解決するビジネスを作る」という目標を持っています。
貧困により“機会の欠如”を無くすため、上記のアプリを開発しました。
 
澤田氏の強い理念がビジネスと融合し、フィリピンで花開くことになるでしょう。

【フィリピン】ユナイテッド・リグロース 鈴木光貴氏


出典:asenavi.com
新興国の特性を生かしたビジネスを展開する若手起業家が、フィリピンにいます。
フィリピンは国の生い立ちから英語人材が豊富におり、かつ人件費も安いことから、英語圏の企業のコールセンター等のバックオフィス機能として重宝されてきました。
 
その環境に目を付けて、英語学校を設立したのがユナイテッド・リグロースの鈴木光貴氏でした。
他と差別化を図るために社会人経験者限定の学校として、日常英会話からビジネス英語まで学べる学校を運営しています。
またフィリピンの豊富な英語人材を持って、BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)の橋渡しを行う事業を現在準備中です。
 
低迷を続ける日本を元気にする人材を輩出する理念を持って、鈴木氏は事業に取り組んでいます。


【タイ】小田川さり


出典:toyokeizai.net
海外に飛び出して活躍の場を求める日本人は増えましたが、若い女性というカテゴリーに絞って見てみると、やはりその数は一気に少なくなります。若干23歳で、タイで起業した小田川さり氏は、やはり異色の存在と言わざるを得ません。
 
日本で普通に就職をすることに疑問を感じた小田川氏は、大学のゼミの先生経由で紹介されたバンコクの実業家を訪ねます。
そこでタイに可能性を感じた小田川氏は、大学4年の時にシンガポールに会社を設立し、タイで人材紹介のビジネスを始めます。
現地の日本人実業家に人材を紹介したことから始まったこの事業は、既に40名程度の人材紹介を成立させています。
 
さらに、和食レストラン業にも進出した小田川氏は、現在、北海道の研究所と共同で、化粧品ブランドの設立に向けて尽力しています。

【イスラエル】Aniwo・寺田彼日氏


出典:kigyotv.jp
日本から遠く離れたイスラエル。私たち日本人にはあまり馴染みの無いこの国で、起業をする若者がいます。それは、スタートアップと投資家をつなぐプラットフォームを運営するAniwo社・寺田彼日氏です。
 
Aniwoのサイトにアップされたスタートアップの事業計画のプレゼンスライドを、投資家が読みに行き、可能性を感じるスタートアップに投資を行うというビジネスモデルを開発しました。
今後は人工知能がプレゼンスライドを読み込み、ニーズが合いそうな投資家にマッチングしていくことになる予定です。
 
なぜイスラエルか?という質問に対して、寺田氏は、政府の支援が非常に厚い点を挙げます。
建国以来、人も資源も不足しているイスラエルでは、海外企業の誘致が盛んでした。政府以外にもマイクロソフトやアップルも支援しているといった点からも、その可能性が伺えます。
 
寺田氏のインタビュー記事はこちら

あらゆる可能性が世界中にはある

スタートアップや起業というと、欧米諸国、特にアメリカを思いがちですが、世界各国の特色を生かして、事業を成功させている人々がいます。
ビジネスチャンスが少ないのではないかと思い込んでいる方も多いであろう新興国で、その国の特色を生かしてビジネスを拡大させていく方々もいます。
自分の理念や理想を掲げ、その国に上手くマッチしたビジネスを展開することが、上手くいく秘訣のように思えます。

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