今や「第2のシリコンバレー」とも呼ばれる、イスラエル。
同国が抱える政治・国際問題等から、ややネガティブなイメージが強いかもしれませんが、そのビジネスでの活躍は非常注目を浴びており、現在、世界中の多くの国々が、相互に連携してビジネスを進める動きが急速に高まっています。
そこで今回は、イスラエルとはどんな国なのか、「第2のシリコンバレー」と呼ばれる所以についてまとめました。
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イスラエルはどんな国?
出典:http://gokuu-isukandaru.at.webry.info/200712/article_1.html
日本のビジネス・ライバルである中国や韓国、欧米諸国などはすでにイスラエル企業との研究開発協力などを進めています。
イスラエルに拠点を置く多国籍企業には、Intel、Google、Apple、Samsung、GE、Microsoftなどがあることから、その注目度の高さが見て取れます。
日本もこのビジネスチャンスを逃すことなく、積極的な進出していく姿勢を示しています。
イスラエルは四国より少し大きな領土に約800万人の人口を持つ国です。
建国からわずか67年の新しい国ですが、ビジネスの分野では積極的で野心的、冒険的なことで知られています。
イスラエルはなぜ注目されているのか?
出典:http://gokuu-isukandaru.at.webry.info/200712/article_1.html
イスラエルが経済的に注目される理由は、「軍事技術の高さ」「産官学の連携」「教育」が相互に影響しあっているためです。
例えば、「軍事技術の高さ」において、イスラエルでは男女ともに兵役の義務があります。その兵役の中で身に着けるリーダーシップとIT技術はアントレプレナーシップと高い技能を持ったエンジニアを多く輩出することにつながっています。
また、「産官学の連携」において、イスラエルでは大学がスタートアップ支援のファンド、アクセラレーターのプログラムを準備しています。さらに、国がコワーキングスペースを運営するなど、産官学の連携が進んでいることから、スタートアップの活動を促進しています。
「教育」では、イスラエルでは自由放任が尊重されていることにより、失敗を恐れない文化があります。そのため、「うまくいくかわからないことはやってみる」姿勢の国民が多いということです。
その他にも、過去の経済危機から学んだ教訓を生かし、取り組んでいたり、多くの移民を寛容に受け入れたことで、有能な人間が多いということも、その経済は発展している要員としてあげられています。
そういったこともあり、イスラエルはハイテク関連企業を中心に年間600社ものベンチャー企業が生まれる「起業大国」とも言われています。
GDPに占める研究開発比率や国民1人当たりの起業率・博士号保有者数・特許数は世界一で、米ナスダック上場件数もイスラエルが外国企業中トップとなっています。
あのセレブ達も出資?注目のイスラエル発サービス4選
イスラエル発のサービス4選
そんな「起業大国イスラエル」発の注目のサービスをご紹介します。
写真・動画共有サービス『Mobli』
出典:https://www.mobli.com
『Mobli』は、Instagramに似たようなサービスです。
注目すべきは、レオナルド・ディカプリオやトビー・マグワイアをはじめ、多くのセレブが出資しているということです。
ユーザーとチャンネルの2種類が存在するのが特徴であり、興味がある人・関心ごとにフォローすることができるのが新しい機能だと言えます。
無料競合分析サービス『SimilarWeb』
出典:http://www.similarweb.com
『SimilarWeb』は、日本でも浸透しつつある競合分析サービスであり、独自の技術により競合サイトのアクセス数や流入経路を簡単に分析することが可能です。
無料で利用できるサービスですが、Chrome拡張機能版も提供するなど、その性能の高さには評判があります。
これを使えば、競合について丸わかりの非常に便利なサービスです。(逆に、みなさんのサイトが丸裸にされている場合もありますが)
世界130カ国以上のイベント情報がわかる『getevents』
出典:https://getevents.co
検索方法は行きたい場所と日付、目的を入力するだけという、いたって簡単な仕組みです。
検索すればその都市の人気イベントを表示してくれるため、旅行の際などには大活躍のサービスです。
また、イベントページを開けば地図や詳細情報が載っており、情報収集やチケット購入が容易になります。
投資家と起業家をオンライン上でつなぐプラットフォーム『Million times』
出典:https://mi11iontimes.com
多くのスタートアップが生まれるイスラエルを拠点に、日本人3人がスタートしたサービスです。
起業家はもちろん、投資家、大企業、一般ユーザーも無料で登録できます。
起業家はスライドをアップロードすることで、投資家と交流ができたり、一般ユーザーから得た評価をもとにマーケティングリサーチをすることができます。
起業tvでは、以前この『Million times』を立ち上げたAniwo・寺田CEOにインタビューしており、ビジネスの観点でのイスラエルの現状や、起業の経緯についてお話ししていただいています。
イスラエルで起業!Aniwo・寺田CEOが大阪大学⇒京大大学院を経て事業をスタート背景【Aniwo・前編】
イスラエルのスタートアップと世界を繋ぐAniwo・寺田CEO「サムライインキュベートの募集がきっかけだった」【Aniwo・後編】
イスラエル経済のゆくえ
出典:http://japan.ashoka.org/future-work-what-skills-will-help-us-keep-pace
現在イスラエルのビジネスを牽引しているのは、ハイテク部門です。
世界の多くの企業がイスラエルに注目していることから、今後も、ハイテク部門主導の生産・輸出拡大は続き、イスラエル経済は成長していくと考えられます。
イスラエルの財政においては、高い国防費負担というネックを抱えてはいますが、財政収支や公的債務残高は、西欧諸国と比べると健全だと言えます。
また、世界一位賢いとも言われる中央銀行の存在に見られるとおり、金融機関の健全性も高いです。
一方で今後、地中海沖ガス田の本格稼働によりエネルギー輸入が減ると予想されています。そのため経常収支は黒字を確保できると言われています。
このように、財政・金融・経常収支が健全なことから、イスラエル経済は今後も大きなダメージを受けることなく、成長を続けていくと思われます。
そのため、アメリカのみならず、中国や韓国、インドなどその他多くの国がイスラエルの企業に多額の資金を投入しており、日本も追随してはいるものの、今後はよりスピード感を持って積極的に関与していく必要がありそうです。
イスラエルが「第2のシリコンバレー」と呼ばれるまでに成長してきた背景には、軍事技術や教育における強みが関与しています。
また、国を挙げて起業家を支援するための政策を取っていることにより、彼らのチャレンジ精神がさらに助長されていると言えます。
今後、日本企業もイスラエルのベンチャー企業と相互連携することで経済の活性化を目指すと同時に、その強い精神を作り出す教育方法などからも様々な学びを得ていく必要があるのではないかと思われます。