> > > 『そのアイデアの代替案は何か』「Startup Science」著者が語る、良いビジネスアイデアとは?
起業tvスペシャル動画

起業tvスペシャル動画

『そのアイデアの代替案は何か』「Startup Science」著者が語る、良いビジネスアイデアとは?

今回のインタビューは、『Startup Science』をお書きになった田所雅之氏へのインタビュー続編です。今回のテーマは「良いビジネスアイデアとは何か」です。

(聞き手:アントレプレナーファクトリー代表 嶋内 秀之)

Startup Science 2017拡大版(1750ページ)を読んでみる

 課題の質を高めるのは、その業界での専門知識の有無

-良いビジネスアイデアとはなんでしょうか?
1つ言えることは、良いアイデアというのは、課題にフォーカスしていることです。世の中にはいっぱいアイデアがあります。例えば2人いて、ブレストしたらアイデアは10個、20個と出てくると思いますが、その中で本当に質の高アイデアは感覚的に1~2%です。

 

スタートアップのアイデアというのは、まさに「must have」のアイデアでないといけません。それはなぜかというと、スタートアップは既存のやり方の延長線上にあるのではなく、既存のやり方に対して全く新しい形を提案する必要があるからです。

 

これは「あったらいいよな」というアイデアではなく、まさに「これがないと痛みを伴うもの」、課題に対応している必要があるということです。そういった意味で、良いアイデアの出し方というのは、まず「課題の質を上げる」必要があるんですね。

 

ただ、2017年の現在、残念ながらほとんどのことが解決できてしまっています。日本はお金持ちで、非常に便利なので、電話1つ、スマホ1つで解決できてしまいます。そこで課題を見つけるのはなかなか難しいと思うんですね。

 

私がよくアドバイスするのは、「そのアイデアに他の代替案がないか」ということです。つまり自分が課題だと思っていても、ほとんどの場合がそれに対する代替案が存在してしまうんですね。そこでプロダクトを作ってしまったとしても、ユーザーとかエンドユーザーは、今の代替案から新しいものにリプレース、つまり置き換えるのが面倒なので。そこに勝ち筋はないと思っています。

 

例えばNapstarの創業者ショーンパーカーがairtimeというサービスを出したとき、彼が起業すると聞いて、40億ぐらい集まりました。ただ、リリース当時はすでにスカイプはありましたし、グーグルもhangoutをまさに始めるタイミングで、すでに代替案を使っていたのです。つまり、彼はそれほど競合他社・競合サービスを意識せずにスタートしたため、失敗してしまったのです。

 

私自身がベンチャーキャピタルをやっていて思うのは、起業家がその領域で、高い専門知識を持っているかどうかですね。例えば自分が介護施設で働いていたとします。介護現場にロボットはあるが、非常に使いにくいという問題があるとします。そういった場合、自分がユーザー、当事者として現場をいかに知っているかが重要になるのです。

 

現場を知ってるかどうかで、実際の現場の中に本当に課題が存在するかどうかの見極めができます。ここに大きな違いあると思います。現場での業務の知識であったり、業界内の物流や商圏とか。このあたりを理解した上で、どこがボトルネックかわかっている必要があります。

 

もう1つ言えるのは、テクノロジーや市場環境、人口動態、いわゆるPEST(Politics、Economics、Society、Technology)という概念がありますが、 それが劇的に進化すると需要側と供給側にギャップが生まれます。

 

こういうパラダイムシフトが起こった瞬間、例えば2008年ごろ、スマホが現れた瞬間は、スマホでのソリューションがほとんどありませんでした。そこで新たなプレイヤーが生まれ、スマホはあるんだけど、活用し切れていないという人が増えます。

 

つまり、テクノロジーが進化することで、使いたいけどできていない、課題のある人が生まれたということです。このように、PESTの変化を先読みすれば、どこに課題があるのかある程度わかるので、そこもやはり課題の質だけではなく、プロダクトの質にも影響すると思います。

 

ソリューションの質を高めるには、既存のシステムに甘んじてはいけない

-ソリューションの質とは?

私がよく言うのは、「content is king」と「UX is queen」です。つまり、いいソリューションがあっても、使い勝手が悪ければユーザーは使ってくれないということです。

 

例えば、Airbnbは2009年のローンチしたとき「自分たちは3クリックで予約できるようにした」と言いました。それまでの予約サイトは、画面を何回も遷移させるもので、Airbnbの場合は、最初の思想からUXを重視していたのです。

 

実は外部環境が変化していくなかで、既存のプレイヤーは既存のシステムに甘んじてしまうんですよね。どれだけクリックしようが関係ない、自分たちのサイトを使ってくれると考えていました。

 

しかし、プロダクトの質というのは、これをいかにブレイクスルーするかです。例えば3回のクリックでも、最終的なコンバージョンしてもらうのはどうしたらいいかとか。そういう地道な改善の積み重ね、改良され続けたUXも、プロダクトの質に影響する大きな要素だと思っています。

お問合せ

タイアップ・広告・取材依頼について

NEWS
INTERVIEW
COLLEGE
月間閲覧数ランキング
新着記事
  • すべてのビジネスパーソンに、アントレプレナーシップを。株式会社アントレプレナーファクトリー
  • enfactv