10月14日、空きスペースを貸し借り出来るマーケットプレイス「スペースマーケット」を運営する株式会社スペースマーケットは、株式会社サイバーエージェント・ベンチャーズとみずほキャピタル株式会社から総額約1億円の資金調達を実施した。調達した資金は開発力や営業力を高めるための採用強化に充てられる見込み。

【ライターの視点】
最近空きリソースの有効活用が多く、大きく「場所」「乗り物」「空き時間」「物」に分けることができます。具体的には、家や駐車場、プライベートジェット、医者、子守、教科書など例を挙げると切りがありません。
例えば空き部屋の貸し借りができる「Airbnb(エアービーアンドビー)」、車の空いている助手席の貸し借りができる「Lyft(リフト)」、医者の空き時間を利用した「JustAnswer(ジャストアンサー)」などですね。このようにいろんなリソースが活用される中で、場所をレンタルするスペースマーケットが今回どうして資金調達できたのでしょうか。
1つの理由は、圧倒的なスピードで事業展開できる可能性があることです。現状では会社の設立から9か月間で775件のスペースを掲載していますが、3年以内に5,000会場、売上高も10億円という目標を立てているようです。
特に時間単位で場所を貸し借りできるのは、法人としても個人としても利用しやすい料金体系です。「球場で会社の入社式を行いたい」「お寺で部活の合宿をしたい」というニーズも、こういうプラットフォームがあれば実現しやすいですよね。
さらに、ユニークな場所を取り扱うことによって、日本人だけではなく、外国人(特に旅行者)も利用してくれる可能性があります。実際、国としても海外からの旅行客を増やすことに積極的ですし、外国語に対応したページがあれば「日本の無人島でゆっくり過ごそう」「日本のお寺に泊まってみたい」という人たちが利用しそうですね。
投資家視点で考えても、海外では同様のビジネスがすでにありますが、日本にはプラットフォームがなかったというのも魅力的だったのではないでしょうか。特定のリソースに特化したサービスはあっても、ユニークな遊休資産(有効活用されていないリソース)に特化したサービスは、言われてみればなかったのかもしれません。先例のない事業に対して資金提供者は消極的ですが、すでにビジネスとして成り立っていること、さらに日本において成長しそうとなれば、出資しますよね。
この手のプラットフォームビジネスはスピードが最重要だと思います。他社が気付いた時には追いつけないほどコンテンツをためていること。それが先行者優位となり、成長資金を得ることができるポイントではないでしょうか。目標を達成できるのか、それとも目標以上に成長するのか、注目ですね。
【会社概要】
スペースマーケットはユニークなスペースを簡単にネットで1時間単位から貸し借り出来るマーケットプレイス。レンタルスペースは無人島からスタジアムまで多岐に渡る。会社の設立は2014年1月、本社は東京都新宿区にあり、代表取締役は重松大輔氏。

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