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中小企業庁元長官・北川慎介が語る「中小企業政策の考え方」<後編>

 

中小企業庁元長官・北川慎介が語る「中小企業政策の考え方」<前編>から読む方はこちら

経歴

前中小企業庁長官

慶應義塾大学経済学部卒業後、通商産業省入省。中小企業庁事業環境部財務課長、資源エネルギー庁資源・燃料部長、大臣官房総括審議官、内閣官房内閣審議官、貿易経済協力局長等を経て、中小企業庁長官に就任(2013~2015年)

中小企業施策の基本的な考え方

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ライフステージ・規模・業種の3つの軸があると思っています。

1つ目は、創業して、代替わりして第二創業し、うまくいかなかったら誰かに事業譲渡するなど、それぞれのライフステージに応じた施策を打たなければいけない、ということです。

2つ目は規模です。一人から始まり、大企業と同じぐらいまでの人数になることもあるので、規模ごとにフィットした応援をしないといけないという考え方です。

3つ目は業種です。製造業・ものづくりに対する施策はイメージしてもらいやすいですが、商業サービス業もあり、いろんな業種・業態があることを考慮しないといけないわけです。

 

この3つの軸を元に、「この人は今どれなんだろう」「自分自身ではどこだと思っているのだろう」「その中で使える施策は何だろうか」と考えていきます。

大事なのは支援側が「あなたはこのステージなので、たくさんある施策の中でも、この施策を使った方がいいですね」と適切にアドバイスすることです。やみくもに施策を紹介しても意味がありません。

かつては金融機関がこの役割を担っていましたが、創業相談まで聞いてあげるだけのリソースがないように思います。そういった背景があり、認定支援機関やよろず支援拠点という組織が発達したわけです。

昔は「政府系金融機関がお金を貸せばいいだろう」という認識でしたが、「経営とはどういうものか」「どうやって会社を続ければいいのか」を知っている人が丁寧に助言していく流れに変わってきたと思います。

特に地方経済が疲弊していて、地方にいけばいくほど大企業ではなく、中小企業を元気にしないと経済は活性化しません。それを市町村レベルで応援しようと、しかも地方ほど応援する人材(税理士や中小企業診断士)が少ないのが実態です。

支援機関自体が少なく、あったとしてもばらばらでは意味がないので、それらが一体となって連携していかないといけません。応援側の中核は市町村でも商工会議所でも誰でもいいんですよ。誰かが中核となって、地方を盛り上げていくのが大事だと思っています。できてこなかったのがこれまでの経緯なので、ここをなんとかしないといけませんね。

ベンチャーの受注機会を生み出す「官公需法」

スクリーンショット (567)

出典:http://www.chusho.meti.go.jp/

ファンドや融資以外で注目してほしいのは、官公需法です。これは官公需一般で、机を買うとか掃除サービスなど、中小企業からなるべく買おうとする法律です。創業10年未満の会社を配慮することで、今までは「実績ないの?」と言われて競争すらできなかった若い企業に、他の企業と同じテーブルにつくことを可能にしたのです。目的としては、国に商品を納めていることで、彼らの信用力を高めることです。

実は「ベンチャーの製品を国が買ったらいいのではないか」という議論は20年以上前からあります。お金を貸すのではなく、売上を立てさせて商品を認めてあげることが重要なわけですが、国が「税金なので失敗できない」と言っていても、いつまでたっても変わらないので、それを何とかしないという想いでこの法律を改正しました。

自治体によっては地元企業を優先する取り組みもあるようですが、法改正はもっと全国的に広げるためのきっかけ作りです。創業補助金などもいいと思いますが、初めの立ち上げ時だけのサポートですからね。

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