飲食店、開業しませんか?

あなたは”食べること”は好きですか?
もし、「毎日3食、いやおやつもそれでいい」と思えるくらい好きな食べ物があるならば、自分でお店を開いた方がいいかもしれません。
 
仮に「飲食店を開業する」となったら、あなたは真っ先に何を考えますか?
 
「どんな店、開こう?」(サービスの問題)
「立地は、駅前がいいかな?」(立地の問題)
「お金、どうやって用意しよう?」(資金の問題)
 
こういった悩みを持つ方が多いのではないかと思います。そこで今回は、この3つの疑問を解決してきたいと思います。

飲食店開業に成功するための大原則

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出典:www.hec.edu
3つの疑問にお答えする前に、最近成功した飲食店から見える、成功の大原則に迫ります。
まず前提として、「飲食店は、情報産業である」ということを押さえておかなければいけません。
 
お客さんは、外食に何を求めているのでしょうか?
「おいしい料理」「時間の節約」「楽しさ」など、答えは人それぞれです。
しかし、おいしい料理を出す店や、安くて早い店などは、すでにたくさん存在しています。
ここに参入するのは、満員電車で自分のスペースを確保しようと奮闘するようなものでしょう。
競合がすでに多いので、自分のテリトリーを確保するのは至難の業です。
 
そこで、近年大きく成功している飲食店は、概して情報産業の様を呈している店が多いです。
とはいっても、決して超高速Wi-Fiを飛ばしたり、IT化しているという意味ではありません。
食事を通して、ほかの飲食店との「違い」と「コンセプト」という情報を売っているのです。
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出典:matome.naver.jp
わかりやすい例として、メイド喫茶を思い浮かべてください。
普通の喫茶店ではまずありえない、オムライスの上にケチャップでハートを書くという「違い」や、猫耳メイドと一緒に萌えをお客さんに楽しんでもらうという「コンセプト」を売っています。オムライスそのものは、特別な調味料が入っているわけでもない、ごく普通のものでしょう。愛はたっぷりかもしれませんが。
 
お店のコンテンツ力を、お客さんが食べずしても伝えることができれば、成功の可能性はグッと高まります。

お店の中身はどう決めるの?

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出典:tozanabo.com
この疑問の答えは、これで決まります。
大手チェーンのいない、「需要のニッチ」を狙うことです。
 
たとえば、「おいしいコーヒーの店」であれば、全国にあるチェーンカフェで事足ります。
普通の店で普通のブラックコーヒーを出したところで、成功できる確率が低いのは明白でしょう。
 
しかし、これが「目にもおいしいコーヒーの店」であれば、どうでしょうか?
たとえば、かなり凝った立体ラテアートを描いてくれるカフェなどがそれにあたります。
チェーンカフェのコーヒーは味覚と聴覚にしか訴えてきませんでしたが、後者のようなカフェであれば、味覚と嗅覚、さらに視覚にもインパクト大です。
 
職人技を魅せたり、個性的な内装にしたり、手の込んだサービスを提供したりと、マニュアルで画一化された大手ではまずできないような、「ここにしかない価値」を提供できれば、あなたの店の成功確率は上がることでしょう。

「ほかとは違うごはん」の価値

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出典:ideas.darden.virginia.edu
「需要のニッチ」を見つけるための、少し面白いヒントがあります。
「人間はどのような情報に価値を感じるか」ということについて、筆者が読んだ本に、ある話が載っていました。
 
人間が価値を感じる情報とは、
「ほかとの差異を感じるもの」(『モノから情報へ -価値大転換社会の到来』佐藤典司、経済産業調査会、2012年)
ただこれしかないそうです。
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出典:blog.goo.ne.jp
たとえば、京都の金閣寺と銀閣寺を思い出してください。
京都の歴史をほとんど知らない人が、どちらか1か所を選ぶとしたら、どちらを選ぶと思いますか?
2013年に京都市産業観光局が行った調査によると、訪日外国人への調査によると、京都訪問時に、金閣寺に訪れる外国人は全体の54.5%いる一方、銀閣寺は30.4%にとどまっています。(『京都観光総合調査 平成23年(2013年)』京都市産業観光局、2013年、44頁
 
日本の歴史にそこまで詳しくないであろう外国人が、こぞって金閣寺に訪れる理由は何なのでしょうか?
1つの仮説ではありますが、ほかの茶色などの地味な色が多い日本の寺において、派手な金色のギャップ(差異)に価値を感じた可能性は、十分に考えられます。
ほかとの差異は、価値を感じるために不可欠なのです。
 
飲食店を開業するときでも、この「ほかとの差異」を意識してはどうでしょうか?
あなたがこれまでに見たもの・感じたこと・経験したことを深堀りしてみると、あなたにしか提供できない意外なギャップを見つけられるかもしれません
では、あなたのオンリーワンを活かした店を出すのに、最もふさわしい場所はどこでしょうか。次は、立地の問題を考えていきましょう。

駅前?路地の隠れ家?立地の問題

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出典:blog.twitter.com
もし、あなたが実家の畑でとれた無農薬野菜専門の持ち帰り専門サラダ屋を開業するなら、次のどこがふさわしいでしょうか?
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答えは、Bです。
Aは、農協でいくらでも新鮮野菜を売っていますし、そもそも田舎だと各家庭に畑があることも多いため、新鮮野菜に意外性は期待できません。
一方、Bは、新鮮野菜が手に入りやすい環境ではないことが多いうえ、夕食の野菜不足を補うために、仕事帰りに購入するビジネスマンの需要が期待できます。また、将来的には、中食への消費税の軽減税率の適用により、さらなる需要増の可能性もあります。
 
このように、同じお店でも、その店が成長するか否かは、お店の立地に大きく左右されます。
この、お店の立地の選び方は1つではありませんが、自分が出したいお店と、見込み顧客の数や属性の関係を慎重に考えたほうが良いことは言うまでもありません。
その参考に、飲食店専門コンサルティングのライズウィルという会社が公開している、立地の分類12種をご紹介します。
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出典:rise-will.com
これらの属性の中から、自分のお店の雰囲気や、予算、商圏などを考えて立地を選ぶとよいと思います。
最近では、低予算で開業できる居抜き物件も豊富なので、探せばきっと最高の立地が見つかるのではないでしょうか。
では最後に、開業資金の問題を考えましょう。

ない袖は振れぬ!飲食店開業における資金の問題

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出典:www.wiseradvisor.com
さて、お店のアイデアもまとまり、立地の候補も決まりました。次に待ち受けるのは、資金の調達です。いざ、お店を開業するとなると、保証金、内装工事費、設備費、備品費… 次々とお金が出ていきます。
そこで頼りになるのが、開業支援用の低金利ローンです。
有名なところで言えば、日本政策金融公庫が年利1%台からの低金利で開業資金をローンしてくれます。
ほかにも、関西限定の話にはなりますが、京都信用金庫が創業支援融資「ここから、はじまる」というのもあります。
こちらは、事業の成長度合いに合わせて返済計画が立てられる点が魅力的です。
 
どちらも、もちろん一定の条件はありますが、なかなかお金が借りにくい新規開業者が、低金利で開業資金を用意できるというのは魅力的です。

飲食店の開業に向けて

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出典:www.panoramio.com
飲食業界を志す人にとっては、自分お店を持つというのは1つの大きな目標であり、夢ではないでしょうか。
最近は、情報面でも資金面でも、開業したい人がしやすくする仕組みが徐々に整いつつあります。しかもそれらの仕組みの情報が、インターネットのおかげで格段に手に入れやすくなりました。
お店をやりたい人が、もっと自由に開業できる時代が、すぐそこまで来ているのかもしれません。
もし、この記事をご覧のあなたが開業されるときは、ぜひ起業tvまでご連絡をお願いします。

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