PDCAで重要な「C」と「A」


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PDCA、回せていますか?

PDCAを確実に回すために重要なことはなんでしょうか。
いろいろあると思いますが、特に重要なのは「C」と「A」です。
もっと言えば、「C」と「A」の仕組み化です。

「C」「A」がないとPDCAにはなりません。
PlanとDoだけだとわりとふつうです。
しかしながら難しいのも「C」と「A」。

さらに困るのが、「C」「A」がなくても、仕事はできてしまうということ。
改善することもありませんが、とりあえず日々の業務はこなせてしまうのです。

難しく、流されがちなのが「C」「A」なのです。
だからこそ、PDCAでは「C」と「A」の仕組みをデザインすることが重要になります。

今回は、良品計画(無印良品・MUJI)の元会長・松井忠三氏のPDCAデザインを学んでみましょう。
(本記事は『無印良品のPDCA-一冊の手帳で常勝経営を仕組み化する!』を参考にしています。ぜひご一読ください)

〈1〉「C」「A」をやる「時間」をデザインする


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最初にデザインしなければならないのは、「C」「A」をやる「時間」です。

さきほど「PとDだけだとわりとふつう」といったことを述べました。
実際PとDは業務の中で普通に行われているものです。

多くのビジネスパーソンにとって、大半の仕事はDoです。
またそのDoをするために、Planだってしているでしょう。

では、「C」と「A」はいつしているのでしょうか?
P、Dと合わせて上手く取り込めている人は素晴らしいです。
しかしそう上手くはいかない人も多いでしょう。

というわけで、松井元会長がどのように「C」「A」の時間をとっていたのか見てみましょう。

土日で「C」と「A」

まずは個人レベルの話です。
松井氏は、平日はP・Dに集中して、土日にC(その1週間の振り返り)とA(次の1週間の準備)を行っていたそうです。

毎週水曜日の経営改革プロジェクト

次は組織レベルの話です。
松井氏は毎週水曜日の2時~4時に「経営改革プロジェクト」という会議を実施していました。ここでは全役員・全部門長が集まり、構造改革・商品開発改革について話し合います。

現在のやり方を評価(C)し、改善点(A)を考え、そこで決まったことを即座に日々の業務に落とし込みます。
そして1週間後にまた評価・改善が行われるわけです。

1週間ごとの「C」「A」はユニクロ(ファーストリテイリング)でも行われています。
こちらでは毎週月曜日、柳井社長を中心にさまざまな件についての評価・改善が行われ1週間で実行されるのです。

どちらも明確な定例会議という「時間・場」を用意することで1週間サイクルのPDCAに成功しています。
「時間」のデザインはPDCAサイクルに不可欠なのです。

〈2〉「C」「A」の対象をデザインする


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「時間」のつぎは「対象」について考えてみましょう。

ソリューション、プロダクト、サービス内容などCheck・Actionの対象になるものは様々です。
企業や業界によってもどこに力を入れるのか変わってくるでしょう。

無印良品では、商品開発や店舗計画などの対象があります。
しかし今回は、よりメタ的な視点からの対象を考えてみましょう。

「やめる仕事」のCheck/Action-業務プロセス改善

業務プロセスも「C」「A」の対象になります。
「やめられる仕事はないか」「より簡単にできる仕事はないか」考えましょう。

無印良品では、ベッドなどの大型商品を店舗から購入者の家まで配送するサービスを実施していました。しかしこれは、梱包や配送手配などの作業で従業員の負担でした。(Check)

そこで無印良品は、店舗からの配送をやめ、物流センターから直接家へ配送するようにしました。物流センターでは、日常的にそのような作業を行っているため、より効率的なプロセスにすることができたのです。(Action)

「小さなPDCA」のCheck/Action-構造改革

1週間レベルでPDCAを回していくやり方は非常に効果的です。
しかしながら、そこにはPDCAの弱点が浮かび上がってきます。

PDCAの弱点とは、「連続的な改善になりやすい」ことです。
非線形的な、これまでにない改善が出にくくなってしまうことがあります。

これを防ぐために、週次レベルで回している「小さなPDCA」自体をCheck/Actionしましょう。そしてより大きなPDCAを回すのです。

商品開発において「週次レベルの小さな改善」の限界を感じた松井氏は、ヨウジヤマモト社との協力といった形でより大きなPDCAを導入しました。

これらの例のように、Check/Actionする対象をよりメタ的な視点から探すことで、抜本的な解決が望めます。


〈3〉「C」「A」のためのコミュニケーションをデザインする


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「C」「A」を滞りなく行うためには、「コミュニケーション」が大切です。

どこかで決まった情報(P)がしっかりと関連するセクションに伝達されなければ実行(D)されません。
当然、「C」「A」にもつながりません。

また実行した情報(D)が伝わってこなければ「C」「A」はできません。
コミュニケーション(情報伝達)が重要なのです。

松井氏は中間管理職の所で情報が止まってしまう問題などを指摘していました。

改善するにはオフラインとオンライン両方から攻めるべきだと思います。

オフラインでは、上司と部下のコミュニケーション・部門同士のコミュニケーションそれぞれの機会や文化づくりをしていきます。

オンラインでは、情報の見える化を行います。
無印良品では、「朝礼メニュー」というものがあります。
これは店舗の端末で見られるようになっており、店長たちはこれを見ながら朝礼を行います。
その内容は、「売上概算日報」「宅送最短指定日」「食品撤去日」その他会議で決まったこと、各店舗への伝達事項などです。
また、本部から店舗へ指示したことを実行したかどうかのチェックもできます。

これは店長以外の従業員も見られるので、情報が全体に行き渡るようになっています。

「C」「A」のやり方を模索する

ここまでCheck/Actionの「時間」「対象」「コミュニケーション」のデザインを考えてきました。
その他にも「C」「A」のいろいろなやり方を模索してみましょう。

他社と自社の違いを測定し(C)、自社の改善に活かす(A)、「ベンチマーキング」。
監査などの第三者を入れることでより客観的な測定(C)、改善案の提案(A)をしてもらう。

Check/Actionには様々なやり方があります。
自分・自社にあったCheck/Actionを探してみましょう。


仕組みをデザインしてPDCAを回そう


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もうずいぶん使い古され、先人たちの手垢がついたPDCAですが、上手く回すのはやっぱり難しいものです。
それでもPDCAはあらゆる分野において成功の要因になってきました。

成功したければ、PDCAを回す。
PDCAを回したければ、回る仕組みをデザインする。
仕組みをデザインするために先人たちの知恵に学ぶ。

友人、先輩、偉人たちのPDCAの回し方、参考にしていきましょう。

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2017年6月より1年間をかけて企画・撮影した105本。今後も、毎月2-3本新しいコンテンツをリリースし、学びを深めていくことをサポートします。
コンテンツを学習することで、「試行錯誤で時間を浪費する」「チーム内で噛み合わないコミュニケーションを続ける」などの無駄を省き、チームが本来の目的や使命に向かってより効果的に進むことができます。

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