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“ぶつからない技術”を手軽に、Mobileye社の挑戦

自動車に一番求められる“ぶつからない技術”

三菱自動車の燃費不正が世間を騒がせましたが、その背景には自動車メーカー間での激しい競争があります。魅力的な外観デザインを生み出すこともさることながら、先進技術開発の競争も激しさを増しています。

先進国のユーザーは、安全運転を可能にする先進技術のデマンドが非常に高く、その分野で優位性を出すために自動車メーカー各社はしのぎを削っています。

日本では機械が自動的に他の車や歩行者を検知してドライバーに警告を出す、いわゆる“ぶつからない技術”が消費者からの支持を受けています。

【動画】アイサイトに助けられた瞬間

各社、独自のネーミングで“ぶつからない技術”を提供していますが、スバルの“アイサイト”やマツダの“アイアクティブセンス”が有名だと思います。各社の技術や装置はそれぞれ特徴がありますが、共通している基本技術は以下の3つがあげられると思います。

1.前方車両衝突警報:走行中の前方車両との車間距離が詰まり、事故を起こしそうになると機械がそれを自動検知して、ブレーキを掛けたり、警告音を出す技術
2.歩行者衝突警報:前方の歩行者や障害物を自動検知して、ブレーキを掛けたり、警告
音を出す技術
3.車線逸脱警報:走行中に自分のレーンを外れて、他レーンや対向車線にはみ出そうに
なると、それを自動検知して警告音をだしたり、ハンドルが自動修正する技術

これらの技術は、前記のスバルやマツダの他、トヨタ等の他自動車メーカーも今日では皆保有している技術であり、徐々に一般装備化されています。

ではこれらの技術を実現させるための自動視覚システムを開発した会社をご存知でしょうか?今では様々な自動車メーカー向けに作られる安全装置部品の根幹を司るこの技術を開発したのは、Mobileye社という会社です。

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出典:www.vcpost.com

アルゴリズムを応用し、対人対物を検知

Mobileye社は1999年にヘブライ大学のAmnon Shashua教授とプロ経営者のZiv Aviram氏によって、イスラエルをベースとして設立された会社です。コンピューターサイエンス専攻のShashua教授は、特にコンピュータービジョンと機械学習に高い技術ノウハウを持っていました。
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出典:www.globes.co.il

Shashua教授はアルゴリズム処理されたソフトウェアとカメラを使い、近くにいる車両を検知するシステムを開発します。これは当時としては画期的なシステムでした。アルゴリズムを進化させ、EyeQチップというプロセッサーチップを開発したMobileye社は、自動車メーカー向けの安全装置部品の構成部品として多くの部品サプライヤーと取引を成功させます。

同社の技術は、簡単に言えば近くにある車や歩行者を検知する事により、交通事故を未然に防ぐことを可能にするものです。前記した現在主流となった前方車両衝突警報、歩行者衝突警報、車線逸脱警報にMobileye社の技術は欠かせないものとなっています。

Mobileye社の技術を集結したアルゴリズムシステムとEyeQチップは、2007年に部品サプライヤーに初採用されると、2012年には累計100万個の出荷を果たすまでに成長します。市場の安全技術のニーズの高まりを受けて、2013年単体の出荷量は130万個に飛躍します。
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出典:www.imobile.bz

2014年末の時点で、18の自動車メーカーに採用されたMobileye社の技術は、160ものモデル車種に搭載されています。特に、BMW、GM, Volvoが主要エンドユーザーとなっており、欧米での評価は非常に高いものとなっています。
また日本でも、夜行高速バス”VIPライナー”などを展開する平成エンタープライズが、自社の保有するバス全車にMobileye製品の装着を決めるなど、国内でも普及しつつあります。

古い車にも後付けOKのシステム

もう一つの特徴は、Mobileye社の対人対物検知システムが、車に後付けできる点です。検知システムは新車に搭載する場合、安全装置部品の一部として組み込まれます。通常、既存の車にこの技術を搭載するのは物理的に難しいと言われてきました。

車のダッシュボード上部にMobileye社製の後付け用製品を設置するだけで、対人対物検知が出来ます。これによって旧式の車を運転しているドライバーにも、安全運転をサポートすることが出来ます。

今後、ますます安全技術のニーズが全世界に広がることは間違いない状況で、Mobileye社のさらなる飛躍は約束されているように思えます。