ナレッジマネジメントとは?

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出典:www.photo-ac.com
「ナレッジマネジメント」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?人事部門の方だけではなく、最近社内外の研修で耳にされた方もいらっしゃるかもしれません。もちろん、そんな研修自体がナレッジマネジメントの一つである場合もあります。
 
ナレッジマネジメントとはマネジメント手法の一つで、個々の社員が持っている知的な情報や知識を組織全体で共有し、集まった知識や情報を基に企業としての魅力を高めていくことを指します。
 
そして、このナレッジマネジメントを通して、より効率よく体系的に組織のアップデートを図ることができ、IT化・グローバル化が進み複雑化する現代のマーケットの中で競争に耐える企業力を高めていくことができると考えられています。
 

ナレッジマネジメントの重要性~暗黙知を形式知に

では、より具体的なナレッジマネジメントのポイントに焦点を当ててみましょう。ナレッジマネジメントには、「暗黙知」と「経験知」という2つのキーワードがあります。
 
まず、暗黙知とは、すでに知っていたり理解していても言葉で説明することが難しい知識のことを指します。例えば営業でクライアントと上手く関係を築くコツを知っていたとしても、他の人に言葉で説明するのは難しい…そんな知識のことです。
 
次に、形式知は暗黙知とは逆に言葉で説明された知識のことを指します。例えばコンサルタントからのレポートや社内プロセスがマニュアル化されたものが、この経験知にあたります。
 
細かく詳しく書かれた膨大なマニュアルをいくら読み込んでも理解できなかったことが、説明上手な同僚から的確なアドバイスをもらっただけで理解することができた経験は、勉強やスポーツの場面であったのではないでしょうか。
 
この時、この説明上手な人たちは、自分の知識の中からあなたにとって最適な知識を整理し、選び出し、分かりやすい言葉に置き換えて説明するという、暗黙地を形式知に変えることが非常に上手くできているのです。
 
ナレッジマネジメントの重要性は、この暗黙知を形式知に変えるというプロセスにあり、もしこのプロセスを確立することができれば、多くの人に小さな気づきで大きな効果を与えることができるのです。
 

ナレッジマネジメント(形式知にすること)の難しさ

このように、一見非常に理想的で、社員にとっても企業にとってもメリットしかないようなナレッジマネジメントですが、なかなか実践が難しいとされてきました。
 
その難しさの理由には、知識を持っている社員が自分自身の優位性を保つためにその知識を他人に開示したくない、「見て盗め」という昔ながらのスタイルに囚われていて、なかなか効率的に提供・吸収することができないなどの心理的な抵抗があります。
 
また、そもそもコツやカンが鋭く自然にそのスキルを身につけてしまっている人ほど、自分自身でその強みを自覚できていなかったり、さまざまな業務に従事する多くの社員から集まってきた膨大な量の知識を整理できていないなど、有用な知識を確立されたシステムに落とし込むことの難しさが考えられます。
 
このように、暗黙知を形式知に変えることは時として非常に難しいものです。「人が有する知識のうち80%は暗黙知で、残りの20%が形式知である」と言われているほど、私たちが持つ暗黙知の量は膨大です。しかし、その膨大な知識や情報は多くの場合誰にも伝えられることなく、ひっそりと消えてしまっているのが現状なのです。
 

「テキストの限界」と「動画の可能性」

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出典:www.photo-ac.com
では、ナレッジマネジメントは本当に不可能なのでしょうか?近年、一つの新たな情報伝達手段に注目が集まっています。これまでのテキストベースの情報伝達手段にとって代わろうとしているのが「動画」です。
 
読者の方の中にはTEDの動画を見て専門分野の知識を増やしたり、英語の勉強をしている方もきっといらっしゃるはず。
 
TEDのような動画を用いた講義はその場にいなくても偉大な人物の話を臨場感を持って聞けるだけではなく、そのプレゼンテーションの仕方を真似したりと映像ならではの可能性があり、そんなメリットこそがナレッジマネジメントにも適用されるべきポイントなのです。
 
テクノロジーやインターネットの発達で今や誰でも簡単に撮影でき発信できる動画。言葉では伝えきれない情報や知識の細部を伝えられ、また一つの動画で全世界のユーザーに発信できるという高度な伝播性も持っています。
 
内容によってはスクリプトを付け加えたりスローモーションにしたりと、より分かりやすく編集できる動画は、理解度に幅のあるグループにも適用させられる可能性も高くパフォーマンスが高いと考えられます。
 
IT化やグローバル化が進む現代、より分かりやすい方法で情報や知識を伝える手段も増えてきました。企業によってはシステムの再構築や刷新が急務なほど目まぐるしく変わる社会だからこそ、こういった新しい手法を取り入れるべきなのではないでしょうか。

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