11月10日、ヤフー株式会社はスマホアプリのクラッシュ解析ツールを提供するFROSK株式会社を買収することを発表した。買収額や方法については明らかにされていない。ヤフーはアプリ開発支援に本格参入し、グロースハックサービスを強化する見込み。

【ライターの視点】
ポータルサイトのヤフーは数多くの子会社を抱えていますが、今回、新たに子会社が1社増えることになりました。社名はFROSK株式会社です。
ヤフーは「課題解決エンジン」というミッションのもと、アプリ開発者支援の本格参入を計画していました。
そんな中で目をつけられたのがFROSKでした。
FROSKはスマートデバイスアプリ(以下、アプリ)のクラッシュ解析ツール「SmartBeat」を提供しています。
スマホやタブレットの普及により、アプリは今後ますます開発されていくでしょう。そこで多くの人に使ってもらうため、アプリのクラッシュ(アプリが異常終了すること)は絶対に発生しないように開発することが求められています。
クラッシュすればユーザーは離れ、低評価のアプリとみなされ、誰からも相手にされなくなります。そこでFROSKは、アプリ開発段階やその後のリリースの段階で、アプリのエラーをいち早く検知し、アプリ改善ができる解析ツールを開発しました。ヤフーはアプリ開発者支援に実績のあるFROSKのサービスと技術力を高く評価し、買収することを決めたようです。
FROSKにとっても、より多くの企業や個人開発者に利用されるようにするため、BtoD<Business to Developer(開発業者)に賛同してもらえる業務提携先を探していたので、双方の思惑が一致し、今回の子会社化が実現した模様です。
特に、米ヤフーでは、2012年以降、アプリ開発会社の買収が実施されました。特に携帯端末での使いやすさを求め、ヤフーの各種サービスの利用を増やそうとしていました。
日本法人でもシナジーが期待できる企業の買収を進め、今後もその買収戦略は続くと思われます。そこでアプリ開発を支援することで、自社のアプリ開発をサポートする一方、今後の買収先・事業提携先を探す目的があるのではないでしょうか。
ITベンチャーの方々にとっては解析ツールのほうが興味深いかもしれませんが、買収戦略後のヤフーが成長し続けることができるのかも注目です。
【会社概要】
FROSK株式会社は、BtoDをコンセプトに、アプリ開発者向け支援ツールの分野に注目し、複数の開発者支援ツールを開発、提供している。
今年4月に提供を開始した、国内初のアプリであるクラッシュ解析ツール「SmartBeat」は、すでに国内多くの企業に利用され、アプリの品質改善に高い効果があると好評を得ている。
設立は2012年、本社は東京都渋谷区にあり、代表取締役は中尾憲一氏である。

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