バックオフィス機能が無い会社は存在しない

スタートアップとは“今までにないイノベーションを通じ、人々の生活と世の中を変えること”と、ある本は定義しています.
IT技術の革新等で、今までにない領域でスタートアップが社会に羽ばたいていますが、メディアでフォーカスされるのはその革新性が主です。
 
スタートアップはその分野で才能を持った個人・グループが起業しますので、企業体の背骨と言われるバックオフィス機能に精通しているとは限りません。
実際は、IT技術の専門性は非常に高いけれども、経理・法務等は素人同然というスタートアップも多いのではないかと思われます。
 
バックオフィスの陣容を整えるには大きな固定費が必要となります。必ずしも体力があるとは言えないスタートアップのために、バックオフィス業務を効率的に行うツールを提供する会社が、近年注目を集めています。
注目のバックオフィスをサポートする企業5選をご紹介します。

 バックオフィスをサポート①freee株式会社

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出典:www.freee.co.jp
会社を設立して最初に必要になるバックオフィス機能は経理でしょう。営利目的の企業で経理業務が発生しない会社は皆無です。しかし経理業務は、専門的な知識や経験が必要な分野です。
 
その中でも特に会計処理は、企業の生死に関わると言っても過言ではありません。複雑な会計処理を、クラウドシステムを通じて手軽に行えるサービスを提供しているのが、freeeです。
 
2012年に創業したfreee社は、“スモールビジネスに携わる全ての人が創造的な活動にフォーカスできるように”という理念のもと、経理の効率を50倍にするためのクラウド会計ソフトを展開しています。わずか数年でクラウド会計ソフトの37.5%のシェアを獲得するまでに成長しています。
 
使い勝手の良さとスモールビジネスにマッチした機能は、スタートアップに有効な武器になることは必至です。

スタートアップをサポート②株式会社MISOCA

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出典:www.misoca.jp
ビジネスで代金回収を行うためには、請求書・納品書の発行が欠かせません。取引相手も代金を払いたくても請求書が届かないことには、支払を起こすことができません。
しかし請求書の発行は、意外にも煩雑です。取引先によって決済条件が違っていたり、金額の記入を誤ってしまうリスクもあります。
 
この煩雑な請求書業務を簡単にするツールを提供するのが、名古屋に本拠を置くMISOCAです。
2011年に設立されたこの会社は、“1分で請求書を作成”をうたい文句に成長を遂げます。同社のサービスの主な機能は、請求書・納品書・見積書を簡単に作成することです。
 
MISOCAが支持されるのは、請求書を作成する場合は基本料金が不要だということです。面倒な源泉所得税や消費税の計算にも対応しています。作成した請求書を取引相手に送付したり、他の便利な機能を使う際に、料金が発生します。
 
本来ならば創造に費やすべき時間を、請求書作成などに割くことを回避出来る効果的なツールです。

スタートアップをサポート③クラウドサイン(弁護士ドットコム株式会社)

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出典:https://www.cloudsign.jp/
大きな取引が合意されても契約書を締結するまでは安心出来ません。
契約書は弁護士事務所が作成してくれますが、製本、会社代表印の捺印、郵送などで意外と時間も人件費もかかるものです。契約書が出来あがっても、正式に締結されるまで1カ月もかかることもあります。
 
この手間を飛躍的に省くサービスがクラウドサインです。弁護士ドットコムが提供するこのサービスは、契約書をPDFでアップロードして署名・捺印欄を指定すると、取引先がクラウド上で承認することで、契約が締結したことになります。契約書が可視化されることで、コンプライアンス対策も可能です。
 
費用も安価で、月額1万円のスタンダードプランで多くの機能が使えます。今までにないこのサービスは、広く普及する可能性を秘めています。

スタートアップをサポート④ラスクル株式会社

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出典:corp.raksul.com
会社がある一定規模になると総務業務も増えます。特にBtoCの企業は、社外向けの様々な販促物を作成する必要に迫られます。
チラシ文化のある日本では、マーケティング&セールスのツールとして、チラシが一定の地位を占めています。また、送られてきたダイレクトメールで購買に至る顧客も多いと思います。
 
チラシやダイレクトメール代行のラスクルは、最近ではTVCMを流すまでに成長した企業ですが、創業は2009年です。ラスクルの特徴は、速達性と特殊印刷が出来る点だと言われています。
 
印刷業界は大日本印刷と凸版印刷の2強状態でしたが、この2社は大企業向けのイメージが強く、スモールビジネス向けでそれなりの規模の会社はあまり見かけない状況でした。
スモールビジネスに目を付けた代表取締役の松本氏は、この分野に特化してシェアを上げていきます。
 
スタートアップが販促物に使える時間や人材のリソースは少ないと思います。ラスクルのようなサービスを有効活用することで、業績を伸ばすことも可能です。

 スタートアップをサポート⑤株式会社オープンロジ

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出典:openlogi.com
企業にとって「在庫」は永遠の課題です。その中でも在庫の保管費用は思いのほか、コストがかかります。倉庫を自前で保有出来るのは体力のある会社で、e-コマース等を展開するスタートアップは他社へ委託する企業が多いと思います。委託倉庫は荷物を預かってはくれますが、梱包・配送までを請け負ってくれる場所は限られています。
 
そこに目を付けたのが、2013年に設立されたオープンロジでした。“最短2分で入庫から保管、梱包、配送までの物流サービスを提供する”をキャッチフレーズにビジネスを拡大させていきます。
 
既存の物流サービスは、荷量によって料金体系が違うのが一般的でした。当然、物流量の多い取引先には安価でサービスが提供されます。
オープンロジは中小の企業(特にe-コマース)や個人営業の店舗等をメインの顧客と考え、荷量に関係なく一律料金の設定になっています。
 
スタートアップがビジネスを開始する際、相対的に取引量が少ない場合が多いはずです。既存の物流サービスは、ボリュームインセンティブが適用される業界で、スタートアップには不利であったと思います。
それを解消してくれるのが、オープンロジ社のサービスなのです。

成長には欠かせない!バックオフィス業務の強化

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出典:www.apa.org
イノベーションに富んだ製品を開発しても、バックオフィス業務をしっかり行わない企業は、ある一定規模までしか発展しません。
勢いのある新興企業の成長が伸び悩むケースでは、バックオフィスが機能していなかったことが原因だった場合もあります。
 
しかし体力の無いスタートアップが自前で全てを揃えることは難しいですし、その原資があるならばメイン事業に使うべきです。
バックオフィス業務は、以前と比べてアウトソーシングの有効性が認知されています。多種多様なサービスが存在し、高いレベルのサービスが提供されているのが現状です。
スタートアップこそ積極的に社外のサービスを使うべきではないでしょうか。

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