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起業の決断

起業の決断

トレジャートレーディング・水永将太代表:LED・ OA機器販売で急成長、秘訣は早い段階からの新卒採用【前編】

今回のインタビューは、株式会社トレジャートレーディング代表取締役社長の水永将太さんに、「新卒が育つ環境」「組織づくり」「起業に欠かせない3つのこと」などについてお話を伺いました。

【経歴】
水永将太(みずなが しょうた)
株式会社トレジャートレーディング 代表取締役社長

1985年12月23日、大阪府守口市出身。大学までは野球一筋の野球一筋の野球少年だったが、就職活動中に出会った社長に感化され、在学中に、東京で人材ビジネスでの起業を決意。22歳で個人事業主として独立を果たすも結果半年で大阪に出戻り、その後、通信系の営業会社に入社し、入社わずか1年で起業、現在のトレジャー・トレーディングを設立する。設立後は、1年目から積極的な新卒採用を行い、元来の通信系事業に加え、美容室をターゲットとしたLED照明の販売と店舗コンサルティング、人材コンサルティング事業も行うなど、幅広い分野で業績拡大している。

企業理念にもある「社会に感動を与えられる人財の育成・輩出」に力を入れており、野球を通じて人間力のある人材を育成したい、との想いから大阪に本拠地を置く独立リーグ球団・06BULLSの球団代表も兼任する。

新卒が育つ環境

新卒採用を早い段階から行ったことが、会社が成長した秘訣です。

2期目から新卒採用を行っていたので、早い段階で、新卒たちが私の意志を受け継いで成長し、今は責任者として活躍をしていることが会社が成長した最大の要因だと思っています。

採用基準は「達成への意欲」

見ているのは、物事を達成させる意欲です。

それに対してのこだわりと、徹底して行っていける人間かどうかを見て、採用を決めています。例えば、学生時代何か集中して取り組んだことに対して、どれぐらいの成果を挙げた人間なのか。また、その物事を達成させるために、どれだけコミットして努力ができる人間なのかを見ます。

知識などは入社後も教えていけますが、達成させる習慣というのは、持ってる人間と持ってない人間とで大きく変わってくると思っています。

組織づくりは「習慣」と「マインド」

人の成長のために、特にこれを意識するということはありません。ひとつひとつの行っていることが全部リンクし、意味をもつと思っています。

そのために一番大事なのは組織習慣だと思っています。朝礼ひとつとってもそうです。ひとつひとつ、日々現場に対して教育をしていくことは難しいと思います。人が育つ組織風土があるかないかがとても大切です。それを築くためには擦り合わせる時間、振り返る時間をしっかり作ることが必要です。

あとは営業マンとして必要なマインドを高める時間をしっかりと作ることです。日々の中でこれを作っていって、ルーチン化していけるかがとても大切ではないかと思います。

10名位の規模までは、トップセールスでずっと引っ張ってきましたが、それが20名ぐらいになったときに、限界を感じました。人を育てていくためにも、まずは組織図をしっかりと作った上で、組織として機能していく体制をどうやってとっていくのか、ということを考えるようになりました。

上場に必要なこと

まず、私たちのビジネスモデルは、優秀な人材をいかに採用できるかと、それをいかに組織として運営していき、同じ方向を向いていられるかが鍵となると思います。

今のメンバーに関しては、全員1年以内に責任者になってほしいと伝えています。プレイヤーとしての能力が高くなったら、あとはマネジメントさえ覚えれば、基本的にはマネジメントする側にまわることはできると思います。

まずそこを1年以内に習得させるために、現場での教育もそうですが、人の成長戦略、あとは事業としてビジネスモデルをしっかり作ることが重要です。

今でいうとLED、OA機器がメインですが、今後は人材とITの部分を伸ばし、LED・OA機器の売り上げと、IT・人材の売り上げが5対5くらいになり、さらに組織の中での採用と幹部育成がしっかりできていれば、上場は可能ではないかと思っています。

経営者の考え方と合うか、浸透しているか

経営者と考え方が合うかどうか。また、経営者の考え方が、採用に関わる現場の人間に浸透してるのかどうかはしっかり見極めるべきです。

社長の考え方は、ベンチャーでは大切です。それが7~8割ぐらい占めていると思います。

あとは、現場の人間が全然ダメで、社長だけ優秀という会社も多いと思います。現場の人間の教育と、社長の考え方がしっかりと末端まで行き届いているかというところは、見極めないといけません。

カリスマ社長に憧れて入社しても、社長が現場で実際に教えてくれるわけではありません。教えてくれる人は考え方があまり合わない、という状況になると、入社してからのミスマッチになってしまいます。そこはしっかりと見極めたほうがいいと思います。

理念と行動の一致

「社会に感動を与えられる人材を育成輩出する企業グループである」というのが我々の経営理念です。

その意味をクレドというものにまとめています。そのクレド、行動指針を評価基準のひとつにもしています。

売り上げをあげてくるというのも確かに大切ですが、経営理念を体現するための行動がしっかりととれているのかどうか、ビジョンを達成するための行動がとれているのかどうか、というところを評価に反映させ、それが給料に反映されたり、昇降格に反映されたりすると、社員はより理念に対して理解しようと動いていくものだと思います。

起業塾で教える3つのこと

起業塾を行っている一番の理由は、我々の企業理念にある「社会に感動を与えられる人材を育成輩出していく企業グループを目指そう」という言葉です。

社内からの起業家、及び経営者というのを輩出していきたいという思いがあります。社内の人間が育っていくためには、社外の起業家と交わることも大切で、社内でも起業したいと思う人間を育てていくスキルも必要だと思いました。

起業に関して様々な本が出ていますが、当然、本を読んだから起業できるというものではありません。起業家の7~8割というのは、経営学を学んで独立したわけではなく、起業家になるステージにトライしていく行動力があったので、起業家になれたのだと思っています。

私自身は、若いときから起業をするなど、行動力だけはあったと思います。主には、行動力から生まれてきたリアルな起業のための能力を教えていきたいと思っています。

起業のために必要なステップは3段階あります。

1段階目は営業力です。
ビジネスモデルにもよるかもしれませんが、起業家は基本的にお金を引っ張ってくる力が強いか弱いかで、大きくその後のステージと、生き残っていけるかどうかの可能性が変わってきます。創業期のベンチャー企業で、多額の出資が出るケースもあるかもしれませんが、可能性としては低いものです。それであれば、自分の提供してる商品やサービスをいかに販売していけるかどうか、販売力があるかないか。これらが非常に大きな差になってくるので、まずは営業力が必要です。

2段階目は、人を育てる能力や、マネジメントする能力、いわゆるリーダーシップの部分です。
起業家は、基本的に営業力があれば、倒産するリスクは非常に低いと思いますが、それではなかなか拡大はしていくことはできません。自分が売れる営業マンなら、自分と同じぐらい能力の高い人間を10人育てる能力があるとしたら、自分の10倍のことができます。ただ、それがなかったら、自分一人でいつまでも売り続けないといけないので、そのビジネスは大きく飛躍する可能性は低くなります。なので、組織を運営していくマネジメント能力と、人間を育てていく力、このマネジメント、リーダーシップ力が2段階目では必要になります。

3段階目は、事業企画、戦略やマーケティング、財務や資本戦略です。
これらができるようになると、上場も狙えるステージになります。世の中の多くの、起業家を育成する塾では、主に企画、マーケティング、財務という計画的な部分を一番最初に教えます。しかし、私はそれらは最初は必要ないと思っています。

一番最初に起業した動機の部分にもなってきますが「とにかく稼ぎたい」「人よりいい暮らしをしたい」という思いからスタートしてもいいと思います。その中で、「こんなビジネスモデルをやっていきたい」とか、「もっと社会的な問題と直面していって、もっとこんな社会にしたい」と言った理念や使命に出会えると思います。

「今の生活がもやもやしているから、なんか一発やってやりたい」そういう動機でもいいと思います。行動力をもって起業していくために、最低限必要な能力は営業力です。その営業力の育成と、リーダーシップの育成ができた人間には、その上のマーケティング、戦略作り、そしてその上の財務という、本当に経営に必要になる経営学の知識を教えようと思い、塾をやっています。

(インタビュアー:菅野雄太、撮影者:高田梨菜)