> > > 「60億円調達した技術系ベンチャーの波乱万丈」セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ阪根信一代表【後編】
起業の決断

起業の決断

「60億円調達した技術系ベンチャーの波乱万丈」セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ阪根信一代表【後編】

今回のインタビューは、セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ株式会社、代表取締役の阪根信一氏に、「シリーズBの資金調達の背景」や「調達資金の使い道」、「未来の起業家へのメッセージ」についてお話を伺いました。

理想のランドロイドを開発するため、ハウスメーカー、家電メーカーにアプローチ

シリーズAに時間がかかってしまい、終わったのが2015年5月でした。15億円も集めたので少しはゆっくりできるかと思いつつも、研究開発型ベンチャーは本当に資金を使うので、気が付くと「そんなに長くもたない」と感じ、すぐにシリーズBに向けて動こうと思いました。

 

次に資金が必要だったのは、ランドロイドの開発だったので、そこに絡めて資金調達しようと思っていました。元々ランドロイドを2005年に開発しようと思ったときからの将来構想で、洗濯物折り畳み機に、洗濯乾燥機を一体型にさせたいという思いがありました。

 

我々は畳む技術の特許はとれますが、洗濯乾燥技術をいまさら自分で開発しても仕方がないと思い、家電メーカーとパートナーシップを組む必要があると思いました。最終的には、家の各部屋のタンスまで自動で入れてくれるようなランドロイドをイメージしていました。

 

そうなるとハウスメーカーと組んだほうがいいと思い、今回のシリーズBではハウスメーカー、家電メーカー、各業界から1社選び、大きく出資していただきたいという思惑がありました。
5月のシリーズAのリリースが終わった直後から、そういったアポイントを取り始めました。そこからパナソニックさん、大和ハウスさんとお話して、一気にいろいろ進んでいきました。

大和ハウスの樋口会長との出会い

元々、ハウスメーカーや家電メーカーと組もうと思っていた中で、実はシリーズAのときに大和ハウスと出会っていました。2014年のシリーズAの夏は、資金がショートしそうで危なかったときで、ILS(イノベーションリーダーズサミット)というイベントに招待していただきました。大企業とベンチャーのマッチングということで、我々はベンチャーキャピタルにこだわらず、事業会社もウェルカムと思っていたので、参加させてもらいました。

 

その直前にシリーズAで1社目が決まったので、悲惨な状況でそこに行ったわけではなく参加しましたが、最初の基調講演が大和ハウスの樋口会長でした。

 

元々、ロボット系に出資していることも、福祉関係に強いことも知っていたので、楽しみに聞いていました。大和ハウスがベンチャーに出資するための考え方、どういう会社に出資したいと思っているのかを聞いていると、まさに福祉、健康、家の生活に関わること、まさにランドロイドとナステントがストライクではまるテーマだと思いました。

 

「我々のような会社を探しているのではないか」と思うぐらいの話だったので、これはぜひ直談判しなくてはと思い、名刺交換をしようとしました。

 

控室の廊下で10分ぐらい待ってみましたが、出てこないし、「ああ…」と思いましたが、その日の夜の懇親会で、新日本監査法人の方に「大和ハウスさん、どなたか紹介してください」とお願いして紹介してもらった方が、その後すぐに当社に来てくださりました。その方にも、我々の技術と製品に共感していただき、すぐに上席、執行役員の方にも来てもらい、ランドロイドを見ていただきました。

 

忘れもしない2015年1月7日、願いが叶い、樋口会長と30分のアポイントがとれました。そこで「君は、なんのためにこういう製品開発をしているのかね」という話があり、「我々は人々の生活を豊かにしていきたいという思いがあります」という話をしたら「なるほど」と思ってくれたようです。そこで執行役員の方に「出資検討を前向きに考えろ」ということで話が進みました。

資金の使い道

今回の調達の資金使途としては3つあります。まずはランドロイドのさらなる開発・製品化、後継機種に向けた開発費用です。ランドロイドは2017年3月に先行予約発売を開始しますが、日本とアメリカ、プラスアルファの国で同時発売にしたいと思っているので、海外マーケティング費用がかかってくるので、そちらにも使います。

 

3点目にナステントのプロモーション費用です。日本ではかなりの広がりを見せていますが、これを機にグローバル展開したいと考えているので、海外マーケティング費用をかけていきます。この3つに使っていくイメージです。

未来の技術系ベンチャーの担い手へ

技術系ベンチャーを立ち上げて成功を目指すのは、すごくハードルの高いことだと思います。しかし、まず学生の方々にすすめたいのは、海外経験を積んでほしいということです。

 

技術開発の考え方自体も、日本と海外で大きく違うし、世の中にないモノに挑戦するという考え方を肌で感じることがすごく大事だと思います。