今回のインタビューは、ピクスタ株式会社代表取締役の古俣大介さんに「起業の経緯」から「事業拡大のきっかけ」、「スタートアップ経営者へのメッセージ」についてお話をうかがいました。
(インタビュアー:菅野雄太、撮影者:高田梨菜)
経歴
1976年9月生まれ。多摩大学在学中に、コーヒー豆のEC販売、女性向け古着販売を開始。その後大学4年次に株式会社ガイアックスにインターン入社。正社員入社後、営業マネージャーとして2つの新規事業部を立ち上げた後、2000年9月に子会社の立ち上げに参画、取締役に就任。
2002年1月に有限会社万来設立。飲食店舗向け販促デザイン事業を開始。
2003年3月に撤退し、美容健康グッズのEC事業を開始。2年後に年商1億円となる。
2005年8月、株式会社オンボード(現、ピクスタ株式会社)設立し、2006年5月からマイクロストックフォト「PIXTA」の運営を開始、現在に至る。
2000年前半の2つの時代の変化が契機


ピクスタは2000年前半に2つの大きな時代の流れがありまして、一つは写真がどんどんデジタル化されてきて、2003年に『EOS Kiss Digital』というデジタル一眼レフカメラが大ヒットしまして、それが一気にアマチュアの写真愛好家の方々に普及した時期でした。
もう1つは、インターネットが普及してまさにブロードバンド化が進んだ時期でして、デジタル一眼レフカメラで撮った高品質の重い写真データをストレスなくインターネットで投稿できるようになったというような環境の変化が2つ起こったいうことに2004年くらいに気づきまして。
ただ、そういったアマチュアやセミプロのような方々が、自分が撮った高品質なデジタル写真を活用できる場、インターネットで評価を受けられるサイトというのは調べてみると全然なかったんです。
これは非常にもったいないですし、これをもっと世の中に活かしたり、発表したり活用されるようなサイトを作ったら大きな価値が生み出せるんじゃないかという想いを持ちまして、2005年にピクスタの前身であるオンボードという会社を作りまして、2006年5月に『PIXTA(ピクスタ)』をリリースしました。

自分の感覚を信じる

ピクスタは3回目の起業でした。
そもそも僕は学生の時から個人事業という形で起業していまして、親も経営者をやっていますので、起業自体は反対されることもなくむしろ勧められて、応援してもらってやっていました
ただ、アマチュアの方々の写真を販売するというモデルに関しては当時事例もなかったですし、本当にそんなことが可能なのかということは多くの人に言われました。
僕も正直、本当にアマチュアの方々の写真を素材として販売するというモデルが成り立つのかどうか、どこまでのボリュームが出るかはやってみないとわからないところもあるなと思っていたんです。
その中で唯一信じられたのは、アマチュアの方々の写真を目の当たりにした時の感動というか。
もともと僕はコンテンツという人が生み出したオンリーワンの素晴らしい作品というものを鑑賞することが好きだったんですが、非常にクオリティの高いものが大量にインターネットに投稿され始めていた当時、アマチュアの方々の写真ですとかイラストの作品なども非常に感銘を受けて、これは十分素材として世の中に活用される、通用するはずだという想いを持ってスタートしたので、その想いだけを信じきってスタートできたという感じです。

ゼロからイチを生み出す難しさ


起業したてというのは基本何もないゼロの状態からですので、お客さんもいないしコンテンツもゼロから集めなきゃいけない状況だったので、ゼロからイチの孵化させる段階というのは非常にきつい状況だったなと思います。
特に3回とも1人で会社を設立して始めたので、仲間探しも含めてゼロから全てを揃えなきゃいけないという状況でした。

スピード感が重要

ピクスタの時は、この事業というのは早く1位になったところが勝者になるという仮説を持っていて、最初から良いメンバーを集めて、スピード感を持って早く成長するということを前提に置いていましたので、はじめからメンバー探しは始めていました。
同時に、そのためには資金が必要ですので、資金調達というのも早い段階から事業プランを作って設立1ヶ月2ヶ月くらいから投資家やベンチャーキャピタルを回り始めたりしていました。
さらには、サイトや商品を作らないといけないので、サイトの設計ですとかユーザーのヒアリングを同時にやりながら立ち上げて行ったということになりますね。
 
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