起業時の不安、地元で起業したい方へのメッセージ

自分の考えたサービスが世の中に受け入れられる充実感

正直なことを言えば、今でも不安ですし、迷いはあります。
銀行には50人ぐらいの同期がいて、頼りになる先輩も沢山いました。組織としてすごく完成されていたので、仕事で失敗しても、周りが助けてくれる、すごく安心して働ける環境でした。
しかし今、自分で会社を経営するという話になると、そういう環境は一切なく、すべて自分で解決していかなければいけません。そう考えると、実は毎日不安で迷っている状態です。
 
銀行と今で何が違うのかというと、満足度で言えば、やはり間違いなく銀行員の頃よりはあると感じています。
銀行員は地域の人々に対し、お金という1つのソリューションで役に立つことができる仕事だったので、私の中ですごく誇らしい仕事でした。
しかし、私が感じていたのは、「私でなくてもできる」ということでした。
その点、Paykeというサービスは、僕と代表が2人で始めたアイデアで、「我々にしかできない。世の中でこれをするのは我々しかいない」という強い自負があります。唯一無二のサービスというか、そういうところで仕事ができるのはすごく楽しいと思っています。
 
自分の考えたサービスが実際お店で使われて、「お客さんがそれで商品を買っていってくれたんですよ」と言われると嬉しいですね。
自分がゼロから作ったアイデアが、こうして世の中で受け入れられていくというのは、すごく楽しいです。

地元で起業しようと考えている方へ

比嘉という名前からお察しの通り、私は生まれも育ちも沖縄でして、25年間ずっと沖縄から出たことがありません。
確かに東京という場所で起業するほうがスピードが上がるのではないかと思いましたが、東京の課題というのは、多くの人たちがすでに洗っていることです。解決手段を色々な方法で考えている優秀な方々が沢山存在します。
その点、地方や地域は今までの延長線上でやっている方々のほうが多い。もちろんそれはそれで尊いものですが、改善の余地が多いのも地方です。
「改善の余地がある=チャンスが沢山ある」ということです。
つまり、地域には「課題がはっきり見えてソリューションをすぐに試せる」という環境が整っているのではないかなと私は思います。
 
無理して東京やシリコンバレーに行かなくても、やれることは沢山あります。そういうことから始めてみる。自分の周りにどういう課題があるのかをちゃんと見極めてみる。そこで自分が何をできるのか考えてみる。
最後に起業するかどうかは自分の人生なので、それを自分がやりたいと思ったらやるべきだし、何かちょっとでも迷うのであれば待ってみて、就職して仕事するのがいいと思います。
 
言いたいことは、「東京に行けば起業ができるというわけでは絶対にない」ということ。地方の方がすごく起業しやすい環境が整っていると思っています。
「地元」で起業というと、「ちょっと田舎」というネガティブな要素があると思われがちですが、地方だからこそチャンスが沢山眠っています。
なので、東京など行かないでください(笑)地元で根付いたサービスを作ってみて、地元の人達とコミュニケーションを取りながらプロダクトやソリューションを作っていくことが一番いいかなと思います。
我々も沖縄発ベンチャーですし、那覇市にもお世話になっているので、そういう想いは強いですね。
地域のほうが手厚いサポートを受けられるのは間違いないので、地域一体となってやっていき、スピード感を持って取り組んでもらえればと思います。

(インタビュアー:嶋内秀之、撮影者:菅野雄太)

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