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IPOまでの道のり

IPOまでの道のり

2015年7月上場、富士山マガジンサービス・神谷アントニオ氏の起業家としての軌跡【後編】

どのような上場経験にしたいのか

上場の準備については、自分たちで模索していくとものすごいコストがかかってしまうと思います。コンサルを入れたり、ミスのコストも高いと思うので、取締役にそういった人を入れるべきだといえばそうですが、その瞬間にまた違う上場経験になると思うんです。

要するに、他の会社のテンプレートに合わせていくという部分も出てきてしまうということです。本当に波乱万丈を楽しみたいのであればそれでいいと思いますが、確実性を求めるならば取締役会で経験者を1人とは言わず、3人いた方がいいと思いますし、CFOは圧倒的にその辺を意識できないとダメです。

上場は資金調達の方法論でしかない

上場をすると、「あいさつ」が変わります。絶対一言目に「上場おめでとう」と言われるんですけれども、僕の中ではまだ道中半ばで、結果も出ていないので、不自然な気がしてしまうんです。

「上場したんだから」「上場企業として」というのが会社の中では簡単に通ってしまいますので、現場において上場というものが持つそのような重みをどうコントロールするかが大切です。上場というのは資本調達の方法論でしか無いので、そこでソフトウェア開発やセキュリティ開発のプロセスが変わるというのは違うと思っています。そのあたりの意識の持ち方をどうしていくかが重要です。

やはり上場企業病というのがあって、「上場企業の取締役が電車乗るの?」ってそりゃ乗るわみたいな(笑)そういうところをもう少しフラットに考えてほしいと思います。

あとは、やはり僕らの言うことが、対外的にものすごく重みを持つようになりました。それまではあまり気にしないで会話をしてきたことが、全部情報漏洩やインサイダーという話になってしまうので、いささかやりにくさはあります。

よく会社の頭文字で会話をするんですが、「電通とドコモは”D”、リクルートと楽天は”R”だからどうしようか」というようなことがあって、その場合は”青いR”と”赤いR”のように区別したり、「なんの話してるんだこいつら」といったような工夫も出てきます(笑)

「何のために上場するのか」考えておくべき

金儲けするために上場するのはすごくコストが高すぎるので、あまりお勧めしません。 そういう意味では、1番の理想は上場しなくてもいい会社を経営することだと僕は思います。

ただ、近年、資産のスケールアビリティで見るIPO(上場)だったり、M&Aにおける経営者のメリットはものすごく大きいです。そういう意味で、最終的に自分たちが何のために上場するのかというのは、経営者として考えておくべきだと思っています。

弊社もそういう意味では、上場したからには投資を考えたり、資本を最大限に活かすための戦略・戦術というのは、前々から持っていなければいけないなと思っています。

みなさん、一攫千金を当てに行くというより、もっと違うレベルでの経営をして欲しいです。上場すると自分たちの価値自体を数値化できる状況になるわけなので、「その数値をもって人を口説きに行ける」という意識をもっと持ってほしいと思います。

 

2015年7月上場、富士山マガジンサービス・神谷アントニオ氏の起業家としての軌跡【前編】はこちら

 

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