みなさんは企業価値とは一体何か考えたことはあるでしょうか?

ニュースではたまに「企業価値が◯億円」や「時価総額が◯億円」といった報道がされることがありますが、実は企業価値と時価総額は全くの別物です。

企業価値とは、企業に対する全てのステークホルダー(株主、債権者等)に対する価値であり、“企業の現在から将来にかけての収益力”を示します。

これに対し、時価総額とは株主に対する価値で、株価に発行済株式総数を乗じたものとされ、「自己資本価値」とも呼ばれます。

それでは以下、企業価値について解説します。

1)企業価値と株価の関係

 

businessman with financial symbols coming from hand

出典:http://pivotpoint.io/media/article/business%20value.jpg

企業価値と株価の関係は、株式が市場で流通している上場株式とそうではない非上場株式とで異なります。すなわち上場株式の場合は両者の間には関係がありますが、非上場株式の場合は両者の間には全く関係がありません。したがって、企業価値と株価の関係については上場株式を前提に解説します。

導入部分で、企業価値と時価総額(自己資本価値)は全くの別物と言いましたが、「本当に全く関係がないの?」と聞かれるとそういうわけではありません。

企業価値の考え方は以下の通りとなっています。

 

企業価値=自己資本価値(株価×発行済株式総数)負債の価値(有利子負債の純残高)

 

したがって、負債の価値が大きく下落してしまうことがない限り、「株価の最大化」を追求することが企業価値の最大化につながります。また、負債が存在しない場合には企業価値は自己資本価値(時価総額)と一致することになります。

計算式上では、株価の最大化が企業価値の最大化につながることは理解できたかと思いますが、理屈の上では「株価が上がれば、企業価値が上がることにイマイチ納得がいかないんだけど…」と思われる人もいるかもしれません。その場合はこう考えてみて下さい。

 

企業価値も株価も現在から将来の企業の収益性を反映したものとなります。

 

企業価値は冒頭でも説明した通り、今後の収益力を表します。株価についても、株主が企業の今後の収益性を考慮に入れて、“いくらまでなら投資してもリターンが見込める”という金額を反映したものであるため、必然的に株価での評価が上がれば、企業価値の評価額も上がることになります。

 

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