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10年の研究から導き出された、リクルートグループのトップ営業”TOPGUN”に共通するものとは?

今回は元リクルートのトップ営業であり、現在はリクルートホールディングス リクルート経営コンピタンス研究所を兼務しながら、リクルートマネジメントソリューションズで営業強化のコンサルタントとして活動している 的場正人氏に、「リクルートグループのトップ営業(TOPGUN)の特長」について伺いました。

ベースとなる2つの価値観

リクルートグループ(以下リクルート)に浸透している2つの価値観があります。それは「圧倒的な当事者意識」と「起業家精神」です。

 

圧倒的な当事者意識というのは、一言でいえば、なんでも首を突っ込みたがること。極端な話「商品が悪いから売れないよ」ではなく、商品を改良することすら営業の仕事だと思い、周囲を巻き込んで自分の仕事にしてしまう、という感じですね。

 

上司や先輩に仕事のことで相談に行くと、「お前はどうしたい?」というセリフが、リクルートでは日常的に飛び交います。「お前はどうしたい?」というのは、何をしたいのかというよりも、「お前は何者でありたいのか、何のためにこの会社に来たのか、この仕事を通じてどういう機会にしたいんだ」ということを問われ続けるのです。そこに対しての意思を持っていることがまず一点です。

 

起業家精神というのは、既にできあがったものを回すだけではなく、常に新しい価値を世の中に生み出すことに対して、モチベーションを高く持てることです。ミッションとしてやらなくてはいけない仕事はもちろんこなしつつも、常に社会の「不」、つまり不安、不満、不便などの「不」を見つけ、「不」を解決するために、リクルートとして何かできないか、自分は何かできるか、ということを、一部の経営層だけでなく、末端の従業員までが考えている、これがリクルートのベースの強さだと思います。

 

リクルートグループにおけるトップ営業とは

何を持ってトップ営業と定義するかはいろいろな考え方があります。圧倒的な業績数字でMVPを受賞した人、もしくはそれを何度も受賞している人を一般的にはトップ営業と呼ぶのかもしれません。もちろんそれも大変素晴らしいことですが、私の所属するリクルートホールディングス、経営コンピタンス研究所では、“TOPGUN”こそ、真のトップ営業と考えています。

 

“TOPGUN”とは、年に1度開催されるリクルートグループ最大のナレッジシェアイベントです。売ることがゴールでなく、価値を提供することをゴールに、どの取り組みがクライアント価値・カスタマー価値・社会価値が最も高い仕事だったのかをグループ各社がかなりの時間と労力をかけて厳選し、各社のグランプリ(代表)を決定します。その各社代表の中から、特に共有価値の高い10案件が厳選され、年に1度開催される1000名以上の有志社員が集まるビックイベント“TOPGUN FORUM”の場でプレゼンテーションを行います。このプレゼンターのことを“TOPGUN”と呼びます。

 

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出所:www.recruit.jp

リクルート経営コンピタンス研究所は、このTOPGUN FORUMの主催を通じて、リクルートグループのTOP案件、TOP営業の研究を重ねてきました。

 

TOPGUN FORUMは今年でちょうど10周年を迎えます。これまでの10年間の約100件のTOPGUNを研究し、明らかになった共通点を“TOPGUN WAY”としてまとめました。

 

TOPGUNの共通点“TOPGUN WAY”とは?

TOPGUN WAYは、原動力となる「志」と「4つのスキル」から構成されます。

 

まず志について説明します。たとえばリクルートの広告事業においては、①広告課題レイヤー(良い広告なのか悪い広告なのかというレベル)から、②メディア課題レイヤー(テレビや新聞などのメディアも含めた、メディア全体でどう集客するかというレベル)、そして、③企業課題レイヤー(クライアントの商品開発や集客後の販売プロセスの改善などにも踏み込んだ企業課題解決のレベル)、さらには④社会課題解決レイヤー(社会課題やクライアントの奥のカスタマーの“不”をどう解消するかというレベル)という視座の高さがあります。

 

その志(視座)をどこまで引き上げられるか、単に「広告を売る」という視座で考えるのか、企業課題、社会課題レベルの視座で考えるのかで、着目すべき事実、設定すべき課題、必要なスキルやリソースは全く変わってきます。これはリクルートの中でも平凡に終わる人と、駆け上がっていく人との差が大きな部分です。常にどこの視界を意識しているか。これが志です。

 

次にTOPGUN人材が卓越している4つのスキルをご紹介します。
「Seek(シーク)」「Identify(アイデンティファイ)」「Leverage(レバレッジ)」「Strive(ストライブ)」の4つです。

 

Seekは、危機と機会を「深く観る」スキルです。TOPGUNはクライアントの現場で起きている事実をあらゆる手段を使ってつかみに行ったり、カスタマー行動を心情面まで深く洞察してつかみに行ったり、膨大なデータを活用してクライアントも気づいていない問題を発見したり、手触り感のある真の問題、要因、課題を特定するまでのプロセスを「そこまでやるか!」と言われるレベルで行っているのが特長です。

 

Identifyは、課題と打ち手を「絞り込む」スキルです。頭を柔らかくして新しい発想を生み出すクリエイティブシンキング、論理的・合理的に解決策を導くシステムシンキングなど、様々なスキルを駆使して適切な課題と打ち手を絞り込んでいきます。自分一人で考えるよりも、いろいろな人を巻き込み、ブレストなどで他者からアイデアをもらって発想を広げることも効果的です。この拡散と収束を繰り返し、課題設定のレベルをいかに高いレベルで、面白くできるか、そして、クライアントと合意できるかです。

 

Leverageは、外を巻き込み「活かし合う」スキルです。TOPGUNの多くは、社内外の「多くの関係者やリソースを巻き込み、ソリューションのスケールを拡大しています。冒頭に述べた“志”が高くなればなるほど、自分だけでは解決できないことが多くなり、足りないリソースが増えてきます。その足りないリソースを補うために、上司や先輩はもちろん、他部門や社内の専門人材、リクルートグループの他領域事業、さらには社外のNPOや行政、影響力のある著名人、時には競合まで巻き込んで、真の問題解決に必要な座組を組みます。ここで大切なのが「価値交換」です。共通の大義を持ち、互いに活かし合える関係をどう構築するかの智恵が求められます。

 

Striveは、最適な状態へ「磨き込む」スキルです。TOPGUN案件は前例のない挑戦であることが多く、初めてやることというのは、やってみないと分からないことがたくさんあります。それを実際にやってみるためには、クライアントの現場の理解と協力が欠かせません。現場のコミットメントを引き出し、リクルートで培ったKPIマネジメントをクライアント組織に実装しながら、決めたことを一丸となってやりきる。そして、やりきることによって、さまざまな気づきが生まれ、その気づきを打ち手に反映し、より成功確率の高い打ち手に磨いていきます。

 

高い“志”を持ち、高い視座・視界から、“四つのスキル”(「Seek」「Identify」「Leverage」「Strive」)を“そこまでやるか”というレベルで実践する。これがリクルートのトップ営業=TOPGUNの特長です。

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登壇者紹介

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(株)リクルートマネジメントソリューションズ エグゼクティブコンサルタント
1993年リクルート入社。96年より現在のリクルートマネジメントソリューションズ
へ在籍し、営業の最前線で98年から2001年まで4年連続でMVP.VPを受賞。02年から
営業マネジャーになり、2年連続で最優秀営業課賞を受賞。その経験・実績を活か
し、08年より営業コンサルタントとして数多くの企業の組織強化および営業マネジ
ャー、営業担当の教育に携わっている。
営業組織における勝ちパターンの構築・浸透プロジェクト、これからの時代に通用
する価値提案営業が出来る営業を組織ぐるみで育てる営業教育体系構築プロジェク
トなどの経験・実績を豊富に持つ。 顧客に提供した価値の大きさや生み出したナ
レッジの組織貢献の大きさなどで評価する全社コンテスト「ナレッジグランプリ」
においても歴代最多受賞履歴を持つ。
北海道大学工学部機械工学科卒業、航空機自家用操縦士・航空機事業用操縦士資格
保有、著書に「リクルートのトップ営業が後輩に伝えていること ~一人前の営業
になる6つの習慣」(日経出版)がある。リクルートグループはもちろん、社外講
演も多数こなし、いずれも好評を博している。

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