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コーポレートガバナンスとは?公認会計士が考える内部統制との関係性

 
◎ ポイント

□ コーポレートガバナンスとは、企業経営を管理監督する仕組み
□ コーポレートガバナンスを実施する目的は「株主の権利・平等性の確保」など5点ある
□ コーポレートガバナンスの実現のためには内部統制の仕組みを整備する必要がある

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コーポレートガバナンス、考えたことはありますか?

コーポレートガバナンスについて考えたことはありますか?
corporate-Governance-Challenges
出典:www.menonpistons.com

コーポレートガバナンスという言葉自体は、企業が不祥事をする度に、耳にしたことがあると思います。

日本におけるコーポレートガバナンスを巡る取り組みは、近年大きく加速しています。

平成27年3月5日には金融庁から「実効的なコーポレートガバナンスの実現に資する主要な原則を取りまとめたもの」としてコーポレートガバナンス・コードの原案が公表されました。

コーポレートガバナンス・コードは、会社が各々の置かれた状況に応じて、実効的なコーポレートガバナンスを実現することができるように原則が定められています。

以下、このコーポレートガバナンス・コードを交えて説明しますので、以下のリンクを参考にしてください。

金融庁:「コーポレートガバナンス・コード原案

コーポレートガバナンスとは?

まず「そもそもコーポレートガバナンスとは何なの?」というところから説明します。
Corporate-Governance
出典:markwignall.com

コーポレートガバナンスとは、企業統治と訳されることが多いですが、正確には、会社が株主や顧客、従業員、地域社会等の立場を踏まえ、透明・公正かつ迅速な意思決定を行うための仕組みのことであり、企業経営を管理監督する仕組みそのものを指す言葉です。

 

株式会社では、会社の所有者である株主から選ばれた取締役が会社の経営を行います(所有と経営の分離)。

経営者は、株主に対して株主の利益の最大化を実現するために会社を経営する責任を負っていますが、企業の業績悪化や不祥事の発生が経営者の専制的な支配にあったこともあり、企業の統治を改善する動きが生まれました。

そこから、経営者がその責任を適切に果たしているか管理監督をする仕組みとしてコーポレートガバナンスでという考えが生まれました。

このコーポレートガバナンスの目的は、コーポレートガバナンス・コードの基本原則で定められており、以下の通りとなっています。
基本原則
編集部作成

 

(1) 株主の権利・平等性の確保

→株主が適切に権利を行使できる環境の整備

 

(2) 株主以外のステークホルダーとの適切な協働

→企業価値の創出は従業員、顧客、債権者等の貢献の結果であると認識し、これらのステークホルダーの権利・立場を尊重する企業文化・風土の醸成

 

(3) 適切な情報開示と透明性の確保

→会社の財政状態・経営成績等の財務情報や、経営戦略、経営課題、リスクやガバナンスに係る情報等の非財務情報の適切な開示

 

(4) 取締役会等の責務

→会社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上を促し、収益力・資本効率の改善を図る

 

(5) 株主との対話

→経営陣は株主の関心・懸念に正当な関心を払うとともに、経営方針を株主にわかりやすい形で明確に説明しその理解を得る努力を行い、株主との間で建設的な対話を行う

 

内部統制とは?

内部統制とは、以下の4つの企業目的が達成されているという合理的な保証を経営者が得るために、業務に組み込まれ、組織内のすべての者によって遂行されるプロセスです。

① 業務の有効性及び効率性の確保
② 財務報告の信頼性の確保
③ 事業活動に関わる法令等の順守を促す
④ 資産の保全

この内部統制の目的は、次の6つの基本的要素が結びつき、一体となって機能することによって達成されます。
内部統制
編集部作成

 

① 統制環境

→組織の気風を決定し、組織内のすべての者の統制に対する意識に影響を与える

 

② リスクの評価と対応

→組織目標の達成を阻害する要因をリスクとして識別、当該リスクへの適切な対応を行う

 

③ 統制活動

→経営者の指示が適切に実行されることを確保するために定める方針及び手続

 

④ 情報と伝達

→必要な情報が識別、処理され関係者に正しく伝えられることを確保

 

⑤ モニタリング

→内部統制が有効に機能していることを継続的に評価

 

⑥ ITへの対応

→組織の内外のITに対し適切に対応

 

「内部統制とは」について説明しましたが、抽象的すぎてわかりにくいと思います。

難しく書いていますが、皆さんは日常の業務の中で内部統制の一部に必ず触れています。

例えば、商品を仕入れる際には、発注→検収→仕入計上→支払→債務管理というプロセスがあると思います。

この際、それぞれの会社にはそれぞれの会社に合った仕組み(発注ならばどの部署がどのように行うのか、仕入計上はどの部署がどのような基準に基づいて行うのか等)が存在すると思います。これこそが“内部統制”です。

上述の4つの企業目的を達成するために、このような仕組みを設けることが内部統制を整備することに繋がります。

コーポレートガバナンスと内部統制との関係性

コーポレートガバナンスと内部統制の関係性ですが、両者の目的が示す通り、

・コーポレートガバナンスにおける“適切な情報開示と透明性の確保”
・内部統制における“財務報告の信頼性の確保”

の部分で関係性があります。

両者ともに情報開示の信頼性の確保を謳っているわけですが、両者の関係性をみてみると、コーポレートガバナンス・コードの「基本原則3 適切な情報開示と透明性の確保」の考え方として、
「取締役会・監査役・監査役会・外部会計監査人は、この点に関し財務情報に係る内部統制体制の適切な整備をはじめとする重要な責務を負っている」
とされています。

このことからコーポレートガバナンスの目的を達成するために、内部統制の整備が求められているという関係性がわかるのです。

すなわち、コーポレートガバナンスはより大きな枠組みとしての経営者の管理監督をする仕組みであり、その中に内部統制という仕組みが存在するというわけです

コーポレートガバナンスは奥が深い

いかがでしたでしょうか?簡単な説明でしたが、コーポレートガバナンス、内部統制ともにそれだけで専門書1冊になってしまう程の内容です。

今後、コーポレートガバナンスについてはますます強化されていくことが想定されますので、ご興味のある方は一度コーポレートガバナンス・コードについて目を通すことをお勧めします。


T.U

公認会計士有資格者 H27.登録予定。M&A、事業再生、事業計画、新規事業シミュレーションなどで経営者を支援。上場企業の経営企画部門を経て創業した若手プロフェッショナル。

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